経営に必要な『剛』と『柔』

昨日はずいぶんとあったたかったですね。

ツバメの姿もちらほら見えるようになりました。

おもしろい出来事があったので、ぜひ読んでください。

 

昨日、昼過ぎの事です。

ヤマダは国道沿いの大手コンビニでアイスあたたかいほうじ茶を選びました。

購入のため、レジまで持っていきましたが店員が見当たりません。

 

周りを見渡すと、ちょうどコーヒーサーバーを調整中で、

代わりにレジ奥の扉から”マネージャー”と名札に書かれた

50代くらいの女性がレジ対応に出て来ました。

 

彼女は冷たいアイスと温かいほうじ茶、各商品を手に取って、

バーコードをスキャンし、合計金額を言いました。

私が財布からお金を出している最中

マネージャ職の彼女は袋を用意しながら言いました。

「一緒に入れていいですか?」

 

ちなみにアイスはカップではなく、ハーゲンダッツのクリスピーです。

チョコに包まれたアイスがサクッとクリスピーに

どら焼き状に挟まれています。

片手で食べられる便利な形状ですが

溶けるとたいへん食べにくくなる形状です。

 

さて、このマネージャーの視点に立って行動を振り返ってみましょう。

①女性客がレジに来たことを視認

②商品パッケージがアイスとキャップが茶色いあたたかい飲み物であることを視認

③手に取って読み取り確認。温度が違うことを体感。

④合計金額をレジで視認、口頭伝達。

⑤温度が違うものを一緒に入れるという判断。

 

客観的にこのブログを読まれている皆さんから

冷静に「なんでやねん」という突っ込みが聞こえるようです(笑)

 

④→⑤の間にいろんな内的情報が処理されていたのでしょう

(いそがしいから早く済ませたい)

(レジ袋を節約したい)

(早くお金を勘定してしまたい)

(他のスタッフが対応すればいいのに)

 

 

その内的情報にかき消されてしまった情報は

・アイスが溶ける

・温かいものが冷たくなる

・二つの商品両方の価値がなくなる

 

無自覚にされていた行動ですが、

客観的にみるとマネージャーである彼女の行動の結果は

『価値のない商品でお金を取る』ことでした。

 

おそらくご夫婦で経営されているコンビニでしょう。

スタッフが不足しており、経営者自ら店舗に立たれているのかもしれません。

 

”マネージャー”の肩書のある方の行動結果がこの状態なので

 

スタッフ育成も非常に厳しいものであることは想像に難くありません。

 

良いスタッフが入ってきてもすぐに離職してしまうでしょう。

そしてますます忙しくなり、

このコンビニは24時間経営ですから

休む間もなく店頭に立たねばならないのかもしれません。

 

五感を使ってキャッチしている知覚情報に鈍くなってしまうことは

入ってくる情報を遮断していることと同じことです。

周りで起きていることを認識できないので、気を配ることができません。

 

顧客にも、スタッフにも、自分自身にすら

気を配ることができない経営状態。

 

仕事が忙しくなってくると

こういう状態にはわりと誰でもなりがちなので

気を付けておきたいところです。

 

マニュアルを作ってがんじがらめに

ルールを作っていくよりも

常に五感を使って

誠心誠意を込めたサービスが

行き届く環境づくりこそが

経営者に必要とされるスキルです。

 

「やってらんない!」

「なんで自分ばっかり!!」

経営となると相談できる人は限られてくるので

孤独との闘いも辛いことが多くなってくることでしょう。

 

図太くなりながらも、賢く繊細に

面の皮を厚くしながら、柔らかく微笑んで

心臓に毛を生やしつつ、暖かい心を持って

自由自在に自分の感覚を使い分けましょう。

お疲れであれば

たまには解放してあげて

ご自身が本来持っている

感覚を取り戻してあげてください。

 

鈍感力と敏感力

 

双方の感覚の使い分けが大事ですね。