コーチングやカウンセリングをしていると
問題をずっと抱えて手放さない人に出会うことがあります。
何度会っても、何回話をしても同じ内容にループしてしまい
なかなか前に進むための一歩を踏むことができない人です。
中にはコーチやカウンセラーに依存してしまい、
夜中でも電話やSNSで頻繁に「自分がいかに悲惨な状態なのか」を伝えてくる人もいます。
私もNLPで最初のトレーナー資格をとり、
何人目かのクライアントとセッションをしたときに出会いました。
6回契約のセッションを行い、毎回最後に分かれるときには笑顔で前を向いているのに
次に会うとまた元に戻っているのです。
一回ごとの話も長く、なかなか問題の輪の中から出ようとはしません。
問題を特定しようとするとするすると逃げるように他の話題にすり替えます。
まるで問題の中にいることを楽しんでいるのではないか?と、当時は思ったものでした。
実はこれは当たらずとも遠からず、といった答えでした。
そう、問題のループからなかなか抜け出せない、という人は
【問題を抱え続けることによって利益を得ている】人なのです。
これを専門用語で『二次利得』と言います。
問題はそれそのものが何かマイナスを生じさせてしまうと多くの人は考えます。
ですから問題は早く特定して早期解決するよう誘導します。
しかし、問題を抱え続けることにより利益を得ることができる、という状態も存在するのです。
例えば、子供のころに学校が嫌になってしまった。行きたくない。
そして、お母さんが忙しくてなかなかかまってもらえない……という寂しい気持ちの時に
風邪を引いて注目を浴びることができるようになり、学校にも行かなくて済むようになった!
こういうことがあったとします。
風邪自体はしんどくて辛いものだけど、愛情と居場所を同時に得ることができたわけです。
病気=愛情と居場所
ということが無意識の中に記憶されると身体がそれにこたえようとします。
熱が出やすくなったり、寝込んだりするようになります。
意識的にそうなるわけではなく、無意識・無自覚のうちにそうなってしまうのです。
明らかにその問題で苦しんでるようにしか思えない人であったとしても
問題を抱え続けることで、その苦しみ以上に大きな利益を得ることができているのかもしれません。
苦しみを手放すことは利益を手放すことと同じことになります。
こういう状態の場合は、問題によって何を満たそうとしているのか?
これを先にヒアリングしていくことで問題から脱するルートのきっかけが見つかります。
まずは苦しみの裏に何が隠れているのかよく聞いてみる所から始めてみましょう。